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zoom RSS (5-2)  最適短期ポートフォリオの構築と検証

<<   作成日時 : 2009/10/17 16:21   >>

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この節の要旨: 日本債券:先進外国国債:日本株式:先進外国株式:エマージング国株式=91:1:1:1:6(「最適短期ポートフォリオ」と命名)は期待リターン2.00%、期待リスク2.76%であり、一括投資後3年以上経過すると元本割れはほぼ無く、短期投資(ただし3年間以上)に適している。なお、3年以内に使う予定のお金は預金で保有すべきである。(2009/12/4/改訂)
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 まず、ネットネームとしてタロットを名乗る人の「効率的フロンティア計算シート」に少し手直しを加えたものを使って、表5-1-1のパラメータに基づき、5つの投資信託(日債、外債、日株、外株、EM株)への様々な投資金額比の投資に対する期待リターンと期待リスクを計算した結果を、図5-2-1に示した。その中で、リターンが10年国債(個人向け国債ではなく、一般の国債)の応募者利回りの直近5年間における最高値(例えば、ゴールデン・チャート社 で銘柄コード159 、IICパートナーズ社ホームページ 財務省のHP などで探すことが出来る)程度のものを探す(ほんのちょっとだけ欲張った値)。2009年12月現在で判断すると、2004年から2009年まで発行の新規10年国債の応募者利回りの最高利率は2.0%である。図5-2-1に示されたポートフォリオ(青点)の中で、リターン期待値が2.0%前後のものを探し、更にその中で最低リスクのアセットアロケーションを探す。
画像
   (図をクリックすると拡大図が出てきます)

 2009年11月末日までのデータを基に、このような条件を満たすポートフォリオとして、投資金額比:
    日本債券:先進外国国債:日本株式:先進外国株式:エマージング国株式
      =91:1:1:1:6(「最適短期ポートフォリオ」と命名)
    期待リターンr = 2.00%、
    期待リスク σ=2.76% となり、
     リターン/リスクの比=0.725
を選んだ。このポートフォリオに「最適短期ポートフォリオ」と名付けておく。このポートフォリオは低リスク・低リターンの国内債券投資中心にすることによって期待リスクを低くし、国内債券と負の相関を持ち且つ高リターンのEM(Emerging Markets; BRICsなど新興25ケ国の株式市場)株投資を少し加得た味付けでリスクを低く保ったままでリターンを高めている。つまり、この計算結果は納得できるものである。
 
 「最適短期ポートフォリオ」の1998年10月以降の月末投資の実績を図5-2-2に示す。
画像
   (図をクリックすると拡大図が出てきます)

 一括投資後の半年間運用(図の薄青色細線グラフ)のリターン(年利換算収益)は投資年月に依存して-6%から+12%の範囲に幅広く分布している。この債券91%の運用でも、半年という短期間運用なら、実績リターンはかなり乱高下している。運用期間が1年になると(黒細線)リターン変動幅は-4%から+5.5%の範囲内に収まり、更に運用期間の長い投資になると元本割れの回数は減少して、一括投資3年運用(濃緑太線)になるとリターンが負になった(つまり元本割れが起こった)のは、1998年10月から2006年11月までの98回の月末投資のうち1回だけ(2005年11月末の投資のみ)で、しかもその最悪リターンは−0.08%であった。この実績検証期間の中にはリーマンショック世界同時大不況のどん底期も含んでいる。“最適短期ポートフォリオ”の現金化が必要になったとしても、リーマンショックのどん底期の1ヶ月間(2008年11月)以外の時点で現金化すれば、元本割れの現金化を避けることが出来る。つまり、3年間丁度の運用予定であった投資を、最悪でも3年1ヶ月に延ばせば、元本割れを避けることができたことになる。よって一括投資3年運用で、元本割れしたままでの現金化は通常避けることが出来ると考えてよい。5年運用の実績(ピンク太線)では元本割れは1例も無い。なお、「最適短期運用ポートフォリオ」3年運用のリターンの実績値平均は2.39%で、定期預金や個人向け国債よりも良い成績である。

 このポートフォリオを選んだ場合の投資時期分散の効果も調べて図5-2-2に載せている。定額月末投資を1年間続けた後、ポートフォリオ保持放置の運用を1年間続けた場合(“1年分散1年運用”、運用期間は1年から2年の幅を持つことになる)(図の茶色細線グラフ)の実績は、一括投資2年運用(柿色細線)よりも見劣りする。運用期間3年間の一括投資や、同期間の投資時期分散投資を比較した結果を次に示す。一括投資3年運用(濃緑太線)、半年間分散投資2年半運用(赤太線)、1年間分散投資2年運用(紫太線)の三者の運用成績に大差は無いが、どちらかと言うと緑太線の一括投資3年運用がやや優れた成績を示している。2年分散投資1年運用(黄緑色太線)の成績は一括投資3年運用(緑太線)よりも劣る。以上より、纏まったお金の「最適短期運用ポートフォリオ」へ投資の場合、投資時期の分散を図って一部のお金の運用期間が短くしてしまうよりも一括投資で全ての短期運用資金の運用期間を稼ぐ方が重要であると結論される。

 以上を纏めて、2009年11月末までの金融データを基礎にして判断すると、運用期間が短期(5年程度以下)の投資に対して以下の投資指針が得られる。
(1)纏まったお金の“最適短期ポートフォリオ” (日債:外債:日株:外株:EM株=91:1:1:1:6)への投資は、一度にドーンと一括投資するのが良い投資法である、どうしても一括投資が怖ければ長くても半年以内の投資時期分散くらいがお勧めである。
(2)3年未満の運用期間の場合は元本割れの可能性がある。よって3年以上寝かせておけるお金を「最適短期運用ポートフォリオ」で運用し、3年未満の内に使う予定のお金は預金で保有しなければならない。資産運用の大原則は、元本割れでの現金化を避けることである。現金化しないときならば、評価額が元本割れしても平気である、単に紙の上のことに過ぎないのだから。
(3)勿論、もっともっと長期間寝かせておけるお金は、ハイリスク・ハイリターンの株式中心の投資に廻すべきであるが、それについては次の節で検討する。

 この「最適短期ポートフォリオ」投資の幾つかの評価額経時変化の実例を図5-2-3に示した。この図に示した赤と青の点線は、98.8%以上の確率で評価額はがこの中に納まる筈という限界の曲線であり、リターン2.00%、リスク2.76%(このポートフォリオの期待値)に基づいて計算したものである(r ± 2.5σ)。
画像
    (図をクリックすると拡大図が出てきます)
  (2009/10/17/UP) (2009/12/25/改訂)

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