(2-1) 名目為替レートと実効実質為替レート

 為替レートの説明文は、「改訂版」を見てください: http://williberich.at.webry.info/201010/article_3.html


 為替レートには、
 (1) 一つの外貨を日本円で買う時の、例えば1 US$ = 何円 で表示する「名目ドル円為替レート($/\為替レート)」や「名目ユーロ円為替レート(e/\為替レート)」と、
 (2) 全外貨の平均購買力(平均の計算法として、日本と各外国との国別貿易量に比例した加重平均を取る、「実効」はその意味)と日本円の購買力(内外のインフレへの補正を加えることを意味する。「実質」はその意味)を較べた「実効実質為替レート」がある。
 別の言い方では、
 (1) 名目為替レートは外貨(例えば1米ドル)が何円かというレートで、数値が大きければ円安・外貨高である。
 (2) 実効実質為替レートは、日本の100円は”平均外貨単位”の何倍と等価であるかと言うレートで、値が大きいと円高・外貨安である。

 ところが、誠に残念なことに、日銀は2010年1月の指数値の発表を最後にして「実効実質為替レート」の発表を止めてしまった。為替レートが大きく動いたときには日経の経済面でもこの指数を使った記事が書かれるほど有用な指数なのに、発表を止めてしまうとは残念なことである。

 「米ドル日本円名目為替レート」や「ユーロ円名目為替レート」は、日銀のホームページで公開されている経済データや「Infoseek楽天、 マネー」(http://money.www.infoseek.co.jp/MnForex/fxlast/)で調べるとすぐ分かる。通常テレビニュースなどに出てくる為替レートはこれである。1米ドル或いは1ユーロを得るのに何円必要かという値で表され、値が小さい方が円高・外貨安である。

 一方、「実効実質為替レート」は日銀が毎月の月間平均値を翌月月初めに発表していて、日銀ホームページに「実質実効為替レート指数」(日銀でのコード:ST'FXCP8JP)の欄にcsv形式の表データとして発表される。このデータは以下のようにして得ることができる: 日本銀行の時系列データ検索サイト(http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html)のページに入り、このページの中で、「時系列データ検索サイト」>「時系列統計データの検索」と辿り、「データコードの直接入力」をクリックする。出てきたページに、「ST'FXCP8JP」を入力し「展開」「全選択」「決定」「閉じる」をクリックして行き、「抽出」、「ダウンロード」の順にクリックすると、「実質実効為替レート指数」の月次データをcsvファイル形式で得る。

 「実効実質為替レート」は日本と外国の物価指数で補正し、日本から世界各国への輸出金額で各外貨の為替レートを加重平均したもので、1973年3月(日銀が選んだ基準時点)を100として各時点での指数として表されている。 簡単に言えば、次のようにして「実効実質為替レート」を決める: 
 まず1973年3月(基準時点)に日本国内で100円の買物をし、買った量を“日本基準商品量”と呼ぶことにする。また、1973年3月に100円を持って諸外国に行って外貨に換えて外国で買物をし、買えた量を“海外基準商品量”と呼ぼう。これで実効実質為替レートを計算する「基準」が出来た。
 次に現時点の為替レート決定に移る。“日本基準商品量”(1973年当時のもの)を現時点の日本国内で買うのに必要な金額(日本円、日本のインフレ率に従って100円を越える金額になっている)を決める(測定する)。次にこの金額の日本円を持って諸外国に行って外貨に換えて“海外基準商品”を買えるだけ買う。現時点で買えた“海外基準商品”の量が1973年当時の“海外基準商品”の何円分に相当するか(つまり、1973年の“海外基準商品量”の何倍になっているか、厳密に表現すると「その倍数」×「100」)を調べると、この金額が「実効実質為替レート」である。それゆえ、値が大きい方が現時点の日本円の値打ちが高く(購買力が大きい)なっていて、円高である。実効実質為替レートは日本円の購買力を全外貨の平均購買力と比較して指数化したものと言える。基準は1973年3月の通貨価値であり、この時点の日本円の購買力を100としている。
(2009/6/28/UP)(2009/12/8/一部追記)(2010/3/17/実効実質為替レートの日銀発表停止を追記)

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