第4章 債券投資

 債券の値動きの基本は、実勢金利(結局は中央銀行が決める“政策金利”に連動)が上昇すると、既発行債券の利率は固定しているので、この債券の売買価格は下落するという振る舞いである。逆に金利が下がるときは既発債券価格が上昇する。つまり、金利上昇は債券価格の下落、金利下落は債券価格上昇と同等である。したがって、ゼロ金利のときは、金利固定の長期債券を積極的に買ってはならない。金利は上昇するのみで、そのときに債券価格は金利に準反比例して下落し、売却時の債券価格では必ず損失をこうむる。

 このメモで提唱している資産運用法(Charles D. Ellis, 鹿毛訳、「敗者のゲーム(新版)」 日本経済新聞出版 (2003)に準じている)においては、(1)10年間以上の長期運用は大部分を株式に投資することを基本とし(ただし株価過熱期に入ったときは株式を売って債券に替える);(2) 実生活でお金が必要になるときは、必要となる5年ないし6年くらい前から準備作業を始める、すなわち、5・6年後(この年数は株安期間が長ければ6年間位であることによる)の必要金額を時間変動(すなわちリスク)の小さい金融商品である債券に移して中期的に (2年間ないし6年間) 運用し、(3) 現金化予定の2年前くらいになった段階で、債券を売って預金にかえる。このように低リスク低リターン金融商品である債券を株式投資から現金に変えるための中継に使う。従って、換金時期に制限がかけられるような債券投資は避けた方が良い。なお、株式のみならず債券も保持することは、両者の間に負の相関があり(後述)、資産全体の評価額変動も小さくなり、一石二鳥である。

 債券現物は個人向け国債(「個人向け国債」は資産運用上は定期預金に分類すべきである;後述)以外の一般の債券の多くは大口ユーザ向けの巨額取引が基本で、個人向けらしい債券ですら100万円程度以上の纏まった金額で売買されているのが基本である(が、10万円台のものも少しある)。従って債券現物の売買は纏まったお金の出し入れとなる。このメモで提唱する資産運用法においては、比較的小額の金融商品の売買(リバランス、後述)が基本となるので、債権投資は、もっぱら債券(主として内外の国債)を対象とするインデックスファンドの購入によって進める。債券のファンドはいつも価格が公開されているので、個別債券の途中売買に較べて精神衛生にも良い。

 ここで提唱している資産運用法では、運用資産のうちで現金化の時期が近い金額部分をリスクの小さい債券のファンドに廻す。Emerging Countriesの債券や、先進国の債券であっても格付け評価の低い社債に投資するような高リスク高リターン狙いの債券ファンドは使わない。利回りの長期平均(1年ないし5年間の平均利回りを見る)が定期預金よりはましな債券投資信託を使うという程度の理解がベター。ここでの資産運用における債券投資の役割は、高株価のときに株式投信や株式ETFを売って債券ファンドに切り替えて現金化に備えるという手順になる。しかし高株価のタイミングを計るのは怪我の基なので、運用資産の現金化においては、アセットアロケーションのリバランス(後述)に合わせて定期的に、ほぼ一定口数の株式資産(ETFないし追加型投信)を売って債券投資信託を買うのが推奨手順になる。

 現役の資産蓄積期のおいては、債券投資は株式投資のバッファの役割を担う。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック