(4-4) 国内外債券投資のリターンとリスクの評価

 国内外の債券のリターンやリスクのなど運用の基礎指数を求めるのは、1998年10月末以降のデータのみを使うことにする。理由は以下の通り:(1)海外債券指数(Citigroup WGBI)の代替指数がこの期間分しか入手できない; (2)債券投資は比較的短期間(5年前後くらい)であり、最近のデータのみに基づく基礎指数の方が適切である、特に国内債券のリターンはたった30年間にリターンが1/10に下落しているので、昔の高リターンのデータを含めては誤った投資指針をもたらすことになる。

 図4-4-1に投資信託経費も差引いた国内債券Net指数と先進外国の国債Net指数並びに実質実効為替レートの変動を、それらの常用対数の変動で示した。
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   (図をクリックすすると拡大図が出てきます)

 国内債券指数(Nikko BPI)の対数(図4-4-1の赤点)は全体として年利1.1%程度の緩やかな傾きの上に載っていて、しかも年利1.1%に相当する直線(赤直線)からのばらつき具合は小さい。一方、先進外国国債指数(Citigroup WGBI)の対数(緑点)は年利6.2%の大きな傾きを示すが、年利6.2%の緑直線からのプロットのばらつきは大きい。実質実効為替レートの対数のプロット(黒点)と先進外国国債指数(Citigroup WGBI)の対数のプロット(緑点)を比較すると、鏡に映したように上下対象な形で対応している。これの意味するところは、先進国国債指数の価格変動の大きな部分は実は実質実効為替レート(日本円の外貨全体に対する為替取引上の評価)の反映がもたらしている。つまり、外債価格の急上昇は円安外貨高の急進がもたらし、外債価格の下落は円高外貨安の反映である。そして、図4-4-1における外債の平均リターン6.2%(= 10^(365.25*7.15644e-5) – 1) の内、2.8% (= 10^365.25*3.29233e-5) – 1)はこの間の円安外貨高の進行によりもたらされたものである。 外債の外貨で評価したリターンは 6.2 – 2.8 = 3.4% と言うことになる。それでも国内債券の1.1%よりは遥かに大きい。

 外債指数において、1999年初(ロシア通貨危機の時期)から2年間の価格低迷があったが2000年末に急速な外債価格値上りで元の価格に戻った。この異常な振舞いは短期間の円高・外貨安がもとらしたものである。さらに2008年中頃から始って現在(2009年12月)もまだ続いている(米国サブプライムローン・リーマンショック危機;多分2010年末頃まで?)低価格期がある。今回の外債価格低迷も円高外貨安がもたらしたものである。この円高・外貨安が今後どのように推移してゆくのか? とにかく、外債投資は為替リスクをもろに背負い込む。その点で外貨預金に似た面があり、リスクが大きい。

 図4-2-1(1998年10月末から2009年11月月末)の内外債券指数の値動きからリターン、リスク、相関係数を求めた結果を表4-4-1に纏めた。計算に際して半減期20年の指数減衰型の重みを付けた加重平均方法を使った。国内債券へのインデックス投資は低リスク低リターンというパラメータが求まっている。海外債券へのインデックス投資はリターン3.6%とやや高いが、為替リスクを背負うのでリスクは10.0%と大きい。内外債券指数の間の相関はあまり大きくない。
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(2009/12/3/UP)

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