(20-11) 超短期ポートフォリオの構築

 短期ポートフォリオ(http://williberich.at.webry.info/201106/article_5.html)の実績において、元本割れ回避に必要な最短運用期間は4年であった。このままでは4年以内に使う予定のお金は全て銀行定期預金(含:3年満期個人向け国債、円建MMFなど)に回すということになる。年金生活者、自宅購入予定者や大学進学予定者を抱える家族にとっては、低金利での運用額が多くなり過ぎる。そこで、無元本割れ運用に必要な最短期間が2年という超短期ポートフォリオを組み立てることにした。

 2011年7月時点で、運用期間2年以内で且つ最も金利の高い無リスク金融商品の一つはネット銀行の1年定期預金で、年利0.25%前後である(住信SBIネット銀行0.3%、あおぞら銀行0.25%)。これと短期ポートフォリオを組合せると超短期ポートフォリオが出来てくる。年利0.25%の場合、log年倍率 = log 1.0025 = 0.00108 となる。短期ポートフォリオの μ/σ = 0.674 (対数正規分布に基づく値、対数は常用対数)なので、μ/σ = 0.674×√2 = 1.0 のポートフォリオを組めば超短期ポートフォリオが出来てくる。このポートフォリオはCAPM理論の資本市場線の利用になり、それは図20-11-1に示したように計算されて、
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   (図をクリックすると拡大図が出てきます)

   年利0.25%定期預金:短期ポートフォリオ=80:20
の金額比で投資すればよいことになる。即ち、超短期ポートフォリオは
   構成:  定期預金:日債:外債:外株=80:16:3:1
   μ期待値: 0.0026 (年利換算で0.60%)
   σ期待値: 0.0026 (年利換算で0.60%)
   元本割れ回避必要年数の推計値: 2年
ということになる。

 この超短期ポートフォリオの、1998年2月以降の全ての月末投資についてBuy&Hold運用(即ちリバランス無し)の実績を年利で表示して図20-11-2に示した。この図では定期預金金利は0.25%で一定だったと仮定している。1年運用の場合は4年ないし5年に一度くらいの頻度で元本割れが起きている。3年運用なら元本割れの実績は一度も無い。
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2年運用だと、リーマンショックのドン底の2009年1月売却した1回の月末投資のみは元本割れしている。このような経済状況の極めて特異なときに投資を開始(多分、バブル絶頂期の購入という不運がありうる)または完了(投資信託の売却)したとき以外には、2年運用で元本割れは起こってない。2年運用で元本割れが起こったときでも、もう数ヶ月待てば元本割れを回避できている。よって、2年ないし3年後に使う予定のお金は、超短期ポートフォリオに従って運用するのがよいと判断する。そして、1998年以降現在に至る間の超短期ポートフォリオの2年運用の運用実績平均値と標準偏差(対数統計でなく、真数統計で計算した値)は年利表示でそれぞれ0.54%、0.30%(2年間運用の偏差、通常表示される1年運用の値に換算すると 0.30%×√2 = 0.42%)となっていた。超短期ポートフォリオで運用した場合、元本割れを回避しつつ、定期預金や3年満期の個人向け国債の年利よりも高い金利を期待できる。

 ここで新たに超短期ポートフォリオが加わったので、前節の纏め(http://williberich.at.webry.info/201106/article_5.html)に超短期ポートフォリオを付け加えて、再度ポートフォリオをまとめ直すと次の様になる:
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   (表をクリックすると拡大された表が出てきます)

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 生涯収支概算表を作り(http://williberich.at.webry.info/201006/article_4.html)これに基づいて寝かせておける期間別にお金(資産)を分割する。その寝かせておける期間に応じて、図20-11-3のようにそのお金の運用ポートフォリオを決める。これがリスク管理の行き届いた資産運用ということになる。
(2011/7/5/UP)(2011/7/6/手直しと纏め部分追記)

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