(20-24) 2012年8月末の統計パラメータに基づく運用期間別ポートフォリオ

 2012年8月末までのデータから算出した金融商品指数の統計パラメータ(表20-23-1; http://williberich.at.webry.info/201209/article_1.html)に基づいて運用期間別ポートフォリオを求めた。前回(20-14節: http://williberich.at.webry.info/201202/article_1.html)のポートフォリオ算出と同様の原則を用いた。更に、可能な範囲で前回のポートフォリオに近いアセットアロケーションになるような選択をした。すなわちリバランスにおける投資信託の買い替えをなるべく少なくすることを目指したわけである。

 短期ポートフォリオは μ/σ の比の値が最大になるように選んだ。そうすると、前回のポートフォリオに較べて外債投資が1%減少、外株投資が1%増加、他の投資比率は変化なしという結果になった。このポートフォリオのリターンの期待値(真数のリターンの幾何平均)は前回の2.09%から2.11%へと微増した。現在募集中の変動10年個人向け国債の金利が0.53%である。個人向け国債なら、無リスク(その上インフレになったら金利は上昇)、リターン0.53%、10年運用;これに対して今回の短期ポートフォリオなら、リスク2.96%、リターン2.11%、運用期間5年であり、悪くはないと思う。

 超短期ポートフォリオ(運用期間:2年以上4年未満)は短期ポートフォリオを15%、年利0.25%半年定期預金を85%で組み合わせた構成となる。定期預金は、半年毎にリバランスする予定なので、住信SBIネット銀行の半年定期を使う。こうしてリスク0.43%、リターン0.53%の超短期ポートフォリオとなる。このポートフォリオにおける定期預金の比率が今回のポートフォリオで増えたのは、定期預金金利が前回よりも下がったためである。

 短期ポートフォリオにおける日債配分比が前回のポートフォリオとほぼ同じなので、中期、長期、超長期ポートフォリオの日債投資割合は前回同様にそれぞれ60%、40%、20%に固定した。こうして構成した運用期間別ポートフォリオを表20-24-1に纏めた。

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   (表をクリックすると拡大された読みやすい表が出ます)

 2012年1月末データのポートフォリオと今回のポートフォリオを比較すると、EM株投資の比率が長期・超長期ポートフォリオで著しく低下したことである。これは、EM株指数の変動が日債指数や外債指数の変動との順相関傾向が高まったためと考えられる。そうなると、EM株のリターンは外株と同程度なのにもかかわらず前者のリスクの方が大きいので(図20-23-2)、EM株投資の意味が低下してくる。この傾向が今後も進むのか、或いは世界経済低迷中で投資家がEM株に対して極端に用心深くなっているだけなのか、よく判らない。

 最後に、このようにリバランスの度に統計パラメータならびにポートフォリオを計算しなおして、運用先を修正するか、或いは過去のアセットアロケーション比率に固執するかは迷うところである。なぜなら、米国経済の住宅バブル破裂からの回復、ならびに欧州放漫財政危機からの脱却が進み、世界の経済が回復し始めると、図20-23-2の矢印の向きは全て逆転する。そのときは景気の良かった昔のアセットアロケーションの運用の方が良い成績をもたらす。一方、世界経済の低迷がまだまだ続けば、新しいアセットアロケーションの方が良いパーフォーマンスを示す。

 一方、リバランスは、アセットアロケーション比率を一定の保つことによって個別の金融商品の価格振動の位相のずれを利用して収益の固定化を図るものである。従って、リバランスの度にアセットアロケーションが大きく変化すのは本来望ましくない。リバランスの際に、値上がりして利益の出た商品クラスの投信を売却して代わりに値下がりして評価損の出ている商品クラスの投信を買い足すというのが理想的なリバランスである。アセットアロケーション比率を一定に保つとこうなる可能性が高い。一方、評価損の出ている投信を売り、代わりに値上がりして評価益の出ている投信を買い足すという余り望ましくないリバランスもありうる。バブルに追従し過ぎたアセットアロケーションの修正の場合にはこういうリバランスになってしまう。

 という次第で、リバランスの時にアセットアロケーション比を大きく変えるのは良くない。かといって、経済情勢もまた個人の資産状況もゆっくりとではあっても変化し続けるので、アセットアロケーション比をそれなりに適応させて変えてゆくべきでもある。そこで生涯収支概算表と各運用期間別ポートフォリオの“掛け算”から算出する運用資産全体のアセットアロケーションに対して、今回新しく統計データから計算された目標アセットアロケーションと、前回リバランス時に採択したアセットアロケーションとの加重平均値を新しい目標アセットアロケーションとするくらいが一応の妥協策かと考える。特に理由があるわけではないが、とりあえず
(新アセットアロケーション比)= α ×(前回採択アセットアロケーション比) + (1―α)×(今回計算された比)
によって新しいアセットアロケーション目標配分比を算出することにし、山勘でα=0.75くらいを採択する。
(2012/9/6/UP)(2012/9/9/末尾に追記)(2012/9/10/末尾に再追記)(2012/9/15&16/修正)

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