(20-30) 2013年7月構築ポートフォリオの再検討と改訂

 このブログでの資産運用において各投資先にどのような金額配分比で投資するかという判断は、二つの条件に基づいている。(その1)運用資産を現金化して使うときに元本割れ確率が十分低い、(その2)「その1」の条件の下で一番高い運用益期待値をもたらす。現在投資を実行し、数年から十数年ないし二十年以上経過した後に現金化することになるので、予測に基づく判断になる。従って、投資には「自己責任で」という決まり文句が付きものになる。更に付け加えるならば、この二つの条件は、寝かせておけるお金を、事業を進める等のためにお金を最も必要とし、かつお金を生かし切ることのできる人や組織に貸す選択手法になっている。

 これまで「その1」の条件として、ポートフォリオのμ/σ比が運用年数に応じて経験的に次の下限値を超えることとしていた:超短期、1.1;短期、0.85;中期、0.65;長期、0.53、超長期0.40。また一方、各金融商品の値動きの統計パラメータの故に、それらの組み合わせが与えうるμ/σの値には上限がある。

 「その1」の条件への適合を点検する方法として、リーマンショックという稀に見る世界同時不況がつい最近起こり、世界同時に大規模株安&債券安(ただし、日本の国内債券の大幅安は起こってない)が進行した。そこで、まずμ/σ期待値に基づいてポートフォリオを構築し、次にそのポートフォリオで投資したと仮定して、リーマンショック期を含む運用期間でも元本割れを起こさないという点検・修正法を付け加えることにした。

 このようにして、前回2013/7/2付けでUPしたポートフォリオの表20-29-2をこの記事に掲載のように改訂する。

 こうして、2013年6月末までの統計パラメータをもとにして、構築し直したポートフォリオと適した運用期間は表20-30-1のようになった。なお、中期、長期、ならびに超長期ポートフォリオにおける国内債券(略称:日債)への投資金額配分をそれぞれ55%、35%、15%と頭ごなしに決めている。

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 短期ポートフォリオは、μ/σ比が最大になるという条件で選び、リーマンショックを含む運用期間でその運用成績を検討すると、図20-30-1のようになり、運用期間が3年なら時々元本割れが起こっている。しかし、満4年の運用なら2007年11月末と同年12月末の2回の月末投資だけが元本割れとなった。しかし、それらの不運な投資も運用期間を4年1ヶ月に延長すると元本割れは回避できている。勿論、運用期間を満5年以上にすれば、元本割れは起きてない。以上により、短期ポートフォリオは運用期間が満4年以上投資に適していると判断できる。

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 次に長期ポートフォリオを調べると、図20-30-2のような運用実績になった。運用期間が満6年、満7年の場合は、期間満了時に元本割れになることが時々起っているが、満8年運用なら、2001年1月末の投資の1回だけである。しかもこの投資も運用期間を満8年1ヶ月に延長すると元本割れは回避できている。勿論もっと長い運用期間なら、期間満了時に元本割れは起きてない。よって、この長期ポートフォリオは運用期間が満8年以上の投資に適していると判断した。

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   (図をクリックすると拡大図が出てきます)

 次に中期ポートフォリオのリーマンショック期を含む運用期間における運用成績を図20-30-3に示し、これを調べる。運用期間6年以下では元本割れが起こっているが、満7年以上の運用期間なら元本割れは起こってない。そこで、中期ポートフォリオの適切な運用期間は満7年以上と判断した。

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 超長期ポートフォリオの運用実績も同様に図示すると、図20-30-4のようになる。13年間以下の運用期間では元本割れが時々起るが、満14年の運用なら、1998年の5月、6月、7月の3回の月末投資のみが元本割れである。これらの元本割れは半年間の時間分散投資(積立投資)ないし半年間の運用期間延長で元本割れを回避できる。これをもとに、超長期ポートフォリオは満14年以上の運用に適していると判断した。そしてこのハイリスク・ハイリターンのポートフォリオには、人為的に25%のeMAXISバランスファンド(八資産均等型)を強制的に混ぜ込み、内外のREIT、日本株式、新興国国債、新興国株式への投資を含めて、投資先の分散を行う。14年以上も先のことは判らないから、投資先を多少とも分散しておくことを優先している。

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 最後に超短期ポートフォリオについて調べた。このポートフォリオは、短期ポートフォリオと無リスク商品として6ケ月定期預金を混ぜ合わせて、μ/σの値が1.29となるように構成したものである。定期預金金利は経済状況に応じて変動するので厳密には「無リスク」とは言えないが、定期預金には元本割れがないので、これを混ぜ込むとポートフォリオの元本割れ確率は低下する。表20-3-1の超短期ポートフォリオのパーフォーマンスは図20-30-5のようになる。満2年以上運用すると、過去のほとんどの投資において元本割れは起こってない。よって、このポートフォリオは満2年以上の運用に適している。

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   (図をクリックすると拡大図が出てきます)

 以上の各ポートフォリオの元本割れ回避に必要とする年数を見比べると、各ポートフォリオに適した運用期間が表20-30.-1の最右欄に示した年数となる。中期ポートフォリオに適した運用期間は満7年の1年間のみになり、少し奇妙に見える。これは多分、US$/¥の為替レートの変動が15年前後の周期で波打っていることの反映であろうと考えている。
(2013/7/13/UP)

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