(20-36) 2014年年初の運用期間別最適ポートフォリオ

 まず、2013年7月初めに組み立てた運用期間別最適ポートフォリオ(表20-30-1 http://williberich.at.webry.info/201307/article_2.html )の、この半年間の運用実績を見ておくと表20-36-1の通りであった。2013年7月初めから2013年年末までの半年間の実績を年利換算で表示すると、低リスク低リターンの短期ポートフォリオでも7.87%、高リスク高リターンの超長期ポートフォリオの実績は実に年利33.45%の好成績であった。ポートフォリオの評価額変動が対数正規分布に従うとの仮説に基づくと、この半年間は出現確率1%ないし3%という極めて幸運な期間、つまり25年から50年に一度しかない程の幸運な半年間だったと評価される。リーマンショック後の回復期(大恐慌後の第二次世界大戦のようにはしないための努力と言うべきかもしれないが)ということだと考えられるが、こうした幸運にたびたび出会えるとは考えない方が良いと思う。どのような形であれ投資していれば、この半年間に大きな収益を手にした筈である。しかしこの幸運が続くと幻想して度を越えた高リスク投資に走らないように気を付けようと思う。何しろ、この半年間の投資実績は出現確率1%、2%といった幸運なものだったのだから。

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  それぞれのポートフォリオの半年間運用実績を標準確率変数 { z = [log(倍率) - μ)/σ] } に換算すると、いずれも z = 2.2 前後でほぼ一定値になっている(表20-36-1)。これはポートフォリオの構築が順当にできているとのサポートであると考え、2014年前半のポートフォリオも従来通りの方法で構築するとことにする。

 まず、国内債券(略称:日債)、国内株式(日株)、先進外国国債(外債)、先進外国株式(外株)、新興国株式(EM株)の「投資信託指数」ならびにドル円とユーロ円の為替レートの平均値の全ての指数の対数の経時変化を2013年年末まで調べてプロットし、図20-36-1に示した。

 日本の株価は2012年秋以降の急上昇が続いているが、2003年春から2007年夏までの小泉内閣時代の上昇の比べて特別の急上昇とは見えない。日本の株価の1990年以降25年間に亘る長期下落傾向から抜け出ることができると判別できるまでは国内株式への投資は基本的には控える。

 国内債券指数は今のところ、年利1.27%の長期平均線(図20-36-1の桃色点線、一時回帰線)に載って非常に小さい変動幅で推移しており、低リスク低リターンの安全な投資先となっている。日債は後述の統計パラメータから判るするように、外債とはほぼ無相関、外株やEM株とは弱いながらも逆相関を示し、評価額変動を抑えたポートフォリオ構築には欠かせない投資先である。一方で、国債残額がGDPの2倍という危険な状態なので、国債の市場利率には気を付けておく。

 ドル円、ユーロ円の為替レートは2012年秋以降に円安が進み始め、2014年正月時点では長期傾向(茶色点線で示した一次回帰線)から見て明らかに円安・外貨高に振れている。海外債券や海外株式への投資を非常に積極的に進めるのは少し控える方が良さそうである。とは言っても、ある程度の海外投資(例えば、定常的な積立投資)は進めざるをえない。

 外債指数は10年以上の長期スケールで見ると、年利4.7%位の運用成績であるが、為替レート変動の影響を大きく受けてかなりの幅で指数値が振れる。中リスク中リターンでかつ他の指数との相関が小さく、投資先として捨てることはできない。外債投資は日債投資で充分代用で来て外債投資は不要であるという意見を目にすることもあるが、長期データを見比べるとそのような判断には同意できない。

 円建ての外株指数は2012年初夏以降回復が大きく進み、現在の指数値は長期平均(黄緑点線で示した一次回帰線)をやや上回っている。海外の株価が上がると日本のお金が海外に流れ始めて円安・外貨高が進み、海外株価上昇と外貨高の相乗で円建て外貨指数は大きく上昇し、また海外株価下落時は真逆の相乗効果が働く。かくして海外株式への投資は上昇下落の幅の大きな大波乗りになるが、やむを得ない。円建てEM株価指数はリーマンショック後2年で回復し、その後は年利6.3%の長期傾向(青点線の一時回帰線)周りを変動している。

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  図20-36-1の太線グラフ部分を使って、各指数値の年変動倍率の常用対数の統計パラメータを求めると、表20-36-2のようになる。
 
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  表20-36-2のパラメータ値を半年前(2013年7月)の値に比べるとき、最も大きな変化は日株のμ (指数の年倍率の対数の期待値)の負の値の絶対値が少し小さくなった点(右肩下がりの傾きが少し小さくなった)である。その他のパラメータの変化量はそれぞれの値の4%以下で誤差程度の小ささである。

 この表の統計パラメータを基に、運用期間別の最適ポートフォリオを構築する。この半年間の統計パラメータの値の変化が小さいので、最適ポートフォリオのアセットアロケーションも半年前のものと大差の無いものになる筈である。従前の原則と手順に従って運用期間別最適ポートフォリオを、表20-36-2のパラメータ値を使って構築し、表20-36-3に纏めた。

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 短期ポートフォリオは、μ/σが最大(不運時の元本割れ回避に必要な運用期間が最短)となるアセットアロケーションとして求めた。超短期ポートフォリオは、短期ポートフォリオと年利0.20%の半年定期預金(住信SBI銀行)の組合わせで、不運時元本割れ回避必要年数2年のポートフォリオとして構築した。

 中期、長期、超長期ポートフォリオとして、不運時の元本割れ回避必要期間が6年、9年、14年のポートフォリオを構築することを目指した。このためには、山勘で、μ/σの値がそれぞれ 0.653, 0.533, 0.401 のポートフォリオを構築すればよいと判断した。さらに、これらのポートフォリオの収益源は海外株式投資なので(長期右肩下がり傾向の日本株には原則として投資しない)、為替レート変動リスクが大きく働く。為替レートの変動には周期10年ないし15年のうねりがあるので、この悪影響を避けるために、中期、長期、超長期ポートフォリオそれぞれに占める日債の分率を 55%, 35%, 15% にするという条件を課した。中期ポートフォリオは特に為替レートの周期変動の悪影響を受け易いので、日債への配分ウエートを大きい値で固定してこれを避けている。また、超長期ポートフォリオの25%はeMAXISバランスファンド(八資産均等型)に配分し、残りの75%をμ/σが0.401近傍の従前型ポートフォリオに振り向けた。こうして、国内株式、内外リートならびに新興国債券への長期投資を含めて、超長期投資におけるリスク分散を図っている。このようにして、表20-36-3に示したポートフォリオが組み上げられた。

 生涯収支概算表の資産取り崩し予測に基づき、上述の運用期間別最適ポートフォリオに配分する運用資産額を決定して、最終的な資産運用ポートフォリオを決める。なお、最終的なアセットアロケーションの急激な変化を避けるために、採択するさアセットアロケーションは、前回(半年前)算出の資産全体のアセットアロケーションと今回算出の資産全体のアセットアロケーションの平均値にする方が無難であると考える。この平均化によって、短期的な変動への追従を避けてバブルに流されないようにし、長期的な変動には追従して大きな底流には載ることを目指す。

  このポートフォリオで今後半年ないし1年間の運用を進めてゆく。
(2014/1/4/UP)

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