(20-44). 「世界経済インデックスファンド」の実質実効為替レート建基準価格の推移

三井住友アセット・マネッジメント社から「世界経済インデックスファンド」という投資信託が売られていて、この投資信託の投資信託説明書にGDP比が資産運用に便利な形で纏められていて、次の通りである:
  2013年 日本 6.8%; 先進国(除く日本) 54.7%; 新興国 38.5%
このGDP比を基にして「世界経済インデックスファンド」は次の比で各地域に分散投資している:
  日本 10%; 先進国(除く日本) 55%; 新興国 35%。
株式にも債券にも上の三地域にこの比で分散投資している。そして (全株式):(全債券)=1:1 の投資金額比になっている。
このファンドは2009/1/16から売り出された。ちょうどリーマンショックの底打ちの時期であり、スタートは幸運な時期である。ついでに書いておくと、このファンドをネット証券会社で買うと購入手数料は零であり、実質的な保有経費は0.7%足らずで低い。ただし売却のときに差引かれる留保分は売却総額の0.1%とやや大きいが、バランスファンドとして安い方だろうと思う。

さて図20-44-1に、このファンドの税引分配金再投資運用した場合の日本円実質実効為替レート建基準価額の常用対数の経時変化(赤実線)を示した。

画像

(図をクリックすると、拡大図が出てきます)

なお、実質実効為替レート建基準価格の計算方法は以下の通りである:
 日本円実質実効為替レート建評価額
   =円建評価額
      ×日本円実質実効為替レート(BIS narrow index)

そして、円建て基準価格の時系列データはヤフー・ファイナンスのホームページから得られたものであり、また、日本円実質実効為替レートはBIS(Bank for International Settlements、国際決済銀行)のホームページからダウンロードしたものを使った。

基準価格対数(常用対数)の経時変化の一次回帰線(一次式に基づく最小二乗法)で求めたリターンμ(年間増加率の平均値)とリスクσ(不規則変動の年間標準偏差)は次の通りである:
 μ = 0.0182
 σ = 0.0717
μの値を真数(基準価格そのもの)の年利に換算すると、年利(金融用語ではリターン)4.3%に相当する(正確には年利の幾何平均値)。一方σを真数の標準偏差(金融用語ではリスク)に換算すると、その目安値は19%である。上記のパラメータμとσを基にし、酔歩の理論を単純に適用すると、26年以上の運用期間なら90%以上の確率で元本割れを回避できることになる。

  参考:
  標準正規分布表からz=1.29;  [(z σ)/μ]^2 = 26

ただし実際には、長期間運用(7-8年以上)になるほど、単純に酔歩の理論を適用するよりも短かい期間で元本割れを回避できるように感じている。つまり、単純な酔歩の理論よりも早く、実際の基準価格は平均値に近づく。例えば、リーマンショックの底(2009/3/3;グラフの赤丸点)で投資した時の10%幸運限界線を紫色の一点鎖線で示した。世界規模の大不況からの回復期なので運用成績は極めて良好と期待される投資である。確率10%以下しかないような幸運な基準価格(赤実線が紫一点鎖線よりも上になっている)は投資後1年半しか続いてない。その後は基準価格は平均値(赤直線、一時回帰線)に近い価格周辺で変動しながらゆっくりと増加している。

  参考:
  紫一点鎖線の式: y(n) = y(0) + μ n + z σ √n
     z = 1.29
    n = 運用年数

ついでに不運な投資を再現してみると、2011/7/8の投資(グラフの赤正方形点)に対する10%不運限界線を紫の点線で示した。投資後半年間は基準価格(赤実線)は10%不運限界線(紫点線)近傍をふらついているが、半年経過後は平均値(一次回帰線、赤直線)に近づいている。

世界経済インデックスファンドの歴史はまだ短いので、このファンドの基準価格変動からはあまり一般的な推論を導くのには不安が残る。投資後かなり長期間経過した時にリーマンショックのような経済危機に遭遇した場合、元本割れ回避にどれくらいの運用期間が必要かということを、これから調べたい。
(2014/11/12/UP)

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