(20-48) 長期簡単投資:バランスファンドの利用

 必要な手間暇が少ないといわれるインデックス投資/運用であっても、自分自身の経済状況や生活状況に最適化しておくことを目指しながら、種々のインデックスファンドを組合せたポートフォリオを組立て、それに従って記録しながら積立投資を継続し、年一回ないし二回のリバランスを続けてゆくことは、かなりの手間と暇を要する。その結果、他にできることが少なくなる。何事であっても、百点満点ないし90点以上を狙うと手間は大変であり、引き換えに失うものが多くなり犠牲が大きい。そこで60点、70点の資産運用で満足することにして時間や労力のゆとりを作り出して他のことをする方が良い選択だと考える。

 家族の健康にも恵まれている若・中年期のサラリーマン、ないし貧しくはない熟年世代や引退世代にとって便利で簡単な資産運用先として、三井住友トラストアセット・マネッジメントの「世界経済インデックスファンド(株式シフト型)」が良さそうである。もう一つの候補は、同じく 三井住友トラストアセット・マネッジメントの「SMT インデックスバランス・オープン」も挙げることができる。

 両者とも、ネット証券で購入すればノーロードであり、信託報酬(税抜き)は0.5%ないし0.55%であり、信託財産留保額は0.1%であって、現在、毎月の小額定額積立投資ができる投資信託の中では、最も投資経費が安い部類に入る。これらの投資信託を特定口座で保有すると税務処理もしなくてよい。

 両者とも、投資資金の配分比は日本、先進国(日本は除く)、新興国それぞれのGDP比にほぼ比例させて、今は10:55:35であり、今後この比率はGDP実績に応じて変えてゆくようである。経済規模に応じた金額比で各地域に投資するという考え方に納得できる。

 両投資信託間の差異は、債券:株式:REITの投資比率であり、
「世界経済インデックスファンド(株式シフト型)」は、債券:株式:REIT=25:75:0 であり、
「SMT インデックスバランス・オープン」は、債券:株式:REIT=40:40:20 である。
債券は、株式やREITと逆相関の値動きをする傾向が有り、株式とREITの値動きは順相関の傾向がる。そしてリターンは、債券<株式<REIT の順で大きくなり、リスク(基準価格変動幅)もこの順で大い。

 なお、債券、株式やREITのリターン、リスクならびに相関係数に関する上記の相互関係は現地通貨建てでの話である。海外金融商品の日本円建時価の変動はこれらの統計パラメータの上に為替リスクが掛算で乗る。為替リスクは極めて大きいので、海外金融商品の時価の動きはそれほど単純ではない。更に資産管理を日本円建て時価に基づいて行うか、実効実質為替レート建時価で行うかといった問題も生じる。筆者は長期インデックス運用は、実効実質為替レート建てで行う方が良いと考え始めている。なぜなら、我々の生活は否応なく世界の貿易市場と太く繋がっているのだから。そして、世界貿易市場と太く繋がっていることは、貿易参加国の全てを豊かにする(つまり、Win-Winの関係、「比較優位の原則」と呼ばれる)ので、基本的には良いことである。

 話を元に戻す。株式とREITはよく似た性格の投資先なので、それらへの投資比率は、世界における時価総額に比例させればいいだろうと考える。全世界の株式時価総額は2012年末で6.4千兆円(杉田浩治 日本証券経済研究所 トピックス (H25/9/10))、2014年末のREITの世界時価総額は0.13千兆円(三井住友トラストAM,「世界のREIT市場」)であり、REIT時価総額は株式のそれに比べて格段に少ない。投資比率が極端に小さいと、分散投資による運用リスク低減には有効ではない。そこでこの比よりもやや多めにREIT投資することにする。
「世界経済インデックスファンド(株式シフト型)」:「SMT インデックスバランス・オープン」=75:25
の比で両投資信託を購入すると、
日本:先進国:新興国=10:55:35
債券:株式:REIT=29:66:5
の金額比の投資ができる。
投資先地域としては日本、先進国、新興国でほぼ全世界、投資先金融商品としては債券、株式、REITに、したがって、9つのインデックスに分散投資することになり、投資先は広く分散できる。この組み合わせに毎月定額ずつ積立投資すると、時間分散もできる。

 両バランスファンド内で運用会社が、債券や株式等々への投資額比はリバランスしてくれている。したがってユーザとしては、「世界経済インデックスファンド(株式シフト型)」:「SMT インデックスバランス・オープン」=75:25の時価評価比を保つだけで資産運用全体のリバランスができて、本当に楽である。

 この投資は、国外投資比率が大きくて、日本円基準で考えると、為替リスクが高い。また株式やREITといった景気敏感商品への投資比率も高いので、リターン、リスク共に高い。従って、いつかは起こる金融危機の時に上述のハイリスク・ハイリターン商品を売却しないで数年間(3-5年)は耐えられるように、充分な金額の(ただし、過剰ではなく、その量の判断がまた難しい)極低リスク資産を、別途保有しておくべきと考える。極低リスク金融資産としては、日本円基準で考えるならば、変動10年個人向国債、普通(仕組み預金ではないという意味)定期預金、ならびに円建MMFなどが取り敢えず考えられる。一方、日本円の実質実効為替レート基準(近似的には米ドル基準)で考えるのなら、極低リスク資産として、先進国通貨の外貨建MMFも含めることになる。これについては、今後検討する。

 何事も定量的に話を進めたいと考えて、ブログのタイトルに「即物的」や「実務」という単語を入れている。しかし今回の記事は定性的過ぎて不満足な点が多い。新興国やREIT関連のデータをため込んで、もっと定量的な話ができるようにしたいものである。
(2015/3/4/UP)(2015/3/7/投資信託の信託報酬を訂正)(2015/3/8/本文に一部追記)

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