(20-70) 後期高齢者は株式・投資信託売却損益等の確定申告の際にご用心!

後期高齢者の確定申告時の株式譲渡損益等の確定申告におけるべからず集: (1)原則として、繰越損益通算をしてはならない(介護保険料)。(2)原則として、譲渡益+配当の総和が正の値(総計で利益が出ている)ような申告を記入してはいけない(介護保険料、後期高齢者医療保険料)。(3)単独の外国税額控除の申請をしてはいけない(介護保険料、後期高齢者医療保険料)。勿論、これらは源泉徴収有りの特定口座で株式等を保有・売買しているとしての話です。そうでない場合は、株式等の譲渡益や配当に関する確定申告は義務。

後期高齢者にとっての広義の税負担は、所得税、住民税、介護保険料、そして後期高齢者医療保険である。各項目の支払額を所得税の何倍の金額かという倍率の一例を示すと
所得税        1.0倍( 3.0万円)   
住民税        1.4倍( 4.2万円)   
介護保険料      3.5倍(10万円)  
後期高齢者医療保険料 6.4倍(19万円) 
である。仮に所得税が3.0万円としたときの各項目の金額を( )内に示した。

上記倍率ないし例示金額を見ると、介護保険料や後期高齢者医療保険の増額をもたらさないように確定申告をすることの大切さが判る。

源泉徴収有りの特定口座で株式等を保有・売買した場合、源泉徴収される税額はその口座での全収益(譲渡損益+配当)の20.315%である。別途確定申告をしなければ、この20%余りの納税で合法的に完結しており、所得税、住民税、介護保険料、そして後期高齢者医療保険料も特定口座での収益の影響を受けない。確定申告には、受け取った年金額や、社会保険支払額、地震保険、医療費などの控除を受けるために各項目を記入するだけであり、株式売買や配当に関する事項は何も書かないで済ませる。よく判らないときは、源泉徴収有りの特定口座での株式売買や配当のことを書かないで確定申告するのがお勧めだと思う。

CASE-1  過去の株式譲渡損失の繰越控除との損益通算をした場合は介護保険料が大幅に増える。例えば、一昨年株式売却で50万円損失を出し、昨年は20万円の収益を得たとする。今年3月の確定申告で繰越損益通算を行うと今年はまだ30万円の損失が残っているので、これを確定申告すると特定口座で源泉徴収された20万円×20.315%=46300円の税金が還付される。でも、介護保険料の算出では、株式譲渡損の繰越控除を認めてない。従ってこの確定申告をすると、昨年の所得が20万円増えたとして、介護保険料が大幅に増える。介護保険料増額と還付される46300円のどちらが大きいかは状況に寄るので細かく計算してみないと分からない。なお、後期高齢者医療保険料の計算では、株式等売買損失の繰越控除を認めている。

CASE-2  3つの証券会社の特定口座で株式を保有・売買していて、昨年の譲渡損益+配当の実績が
 A証券 15万円の損失 源泉徴収0円
 B証券 10万円の収益 源泉徴収20315円
 C証券 10万円の収益 源泉徴収20315円
であったとする。

CASE-2A  3つの証券会社全部の損益を確定申告した場合、株式関連(分離課税分)収益は損益通算で10+10-15=5万円だけなので、B証券とC証券で源泉徴収されてた40630円の内15万円×20.315%=30473円は還付されることになる。だがしかし、三証券の損益を確定申告をしたことにより、昨年の所得は5万円増額する。この5万円の所得増に対して、介護保険料と後期高齢者医療保険料の増額が起こる。この社会保険料の増額と、還付された30473円でどちらが大きいかは一概には言えない、具体的な計算を要する。更に、所得状況によっては、上記の所得5万円増によって、医療費自己負担率が1割から3割に増額することすら起こりうる。

CASE-2B  CASE-2の内のA証券とB証券の損益のみを確定申告し、C証券の損益については確定申告書に記載しないことも許される(合法)。この場合は、確定申告された分離課税分は損失5万円なので、この確定申告したことによる所得の増額は零である。従って介護保険料も後期高齢者医療保険料も増額しない。そして、B証券で源泉徴収されていた20315円は還付される。介護保険料計算において、同一年内の損益通算は認められる(後期高齢者医療保険料計算でも同様)ので、このような確定申告が合法にしてかつ得策となる。

株式関連の損益の確定申告に関して、所得税・住民税のみの減額・還付について書かれている(ネット)記事の「節税」方法には、少なくとも、後期高齢者は注意すべきである。社会保険料は、所得税や住民税よりもはるかに大きな額であり、しかも社会保険料計算方法と所得税計算計算方法が異なっているのだから。

なお、これらの注意点は、藤沢市のホームページ
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/honen/kurashi/hoken/kokikore/hokenryo/kabutohokenryo.html
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/honen/kurashi/hoken/kokuho/hokenryo/kesan/h25henko.html
に判り易く書かれている。一読をお勧めする。

e-Tax で確定申告する場合、3月15日24時までは、何回でも確定申告書を送信できる。税務署が採択するのは、最後に送信した申告書である。
(2019/2/28UP)

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