20-74. 投資信託2本の単純運用で期待される運用成績とその購入・売却の方法

資産運用は、それが使われる(老後生活費補填の為に取崩される)場面を想像して進められるべきである。さらに、運用の手間もできるだけ簡単であることが望ましい。ただし、運用方法を考える筋道は丁寧に詰めてゆきたい。結果に行き着くまでは間違いの無いように。そして結果はできるだけ単純明快が良い。

こうして辿り着いたのが
「SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)」 
「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」
の二本の投資信託を、保有評価額比1:1となるように購入・保有・売却するという方法となった。
この運用における各投資先への配分比は20-72の記事に示した通りである。

この運用で期待される成績は、指数変動の統計パラメータ(20-73の記事)を使えば計算できる。運用全体としての log(1 + r) の平均値±標準偏差は、0.0231 ± 0.0569 との計算結果を得た。年利 r (真数)に換算すると、 5.5% ± 14% となる。上記の log(1 + r) の平均値と標準偏差から予測される運用成績は図20-74-1の緑色曲線のようになる。緑太実線は一番起こりそうな運用成績(つまり平均的な成績)を示し、投資後15年で評価額は2倍になる。ただし、確率10%で起こりうる不運な運用では、緑点線以下の成績もありうる。かなり不運なとき(確率10%)は、投資後10年間は元本割れ状態が続くかもしれない。つまり10年以上、できたら15年以上は寝かせておけるお金(つまり若い人の老後資金)をこの投資に振り向けるのが良い。幸運な運用では緑太実線よりも好成績になる(確率50%)。しかしこれは運用時の心配事ではないので図には示してない(図の簡明さを保ちたい)。

図20-74-1.gif

銀行の定期預金金利が0.01%とかの時代に年5%余りという期待運用成績は、長期運用でのみ許される。そうでなければ世に定期預金など存在する筈がない。高い運用成績は長期投資でのみ期待できる。ただしその逆は真ならず。

具体的には、現役時代の毎月の収入から出した老後資金を、上記2本の投資信託の積立購入に充てる。購入金額比は、2本の保有投資信託の評価額が概ね等しくなるように選ぶ。退職金などの纏まったお金は、投資可能部分を3年間位(この年数は山勘)に等分して毎月の積立投資を続ける。積立投資は、投資時期の幸運・不運を平均化するので、結果として累積運用成績を太実線(平均成績)に近づける効果が大きい。

こうして運用してきた老後資金の取崩しでは、残留する2本の投資信託評価額が概ね等しくなるように売却する。このとき、毎月一定金額を得るように売却してはならない。1年間(もしくは2年間)の取崩し総額を決定し、毎月同じ口数を売却してこの総額を得るように売却計画を立てる。これに従って一定口数の定期売却を実施する。

もし毎月一定金額を得るように売却したら、投資信託が安値の時に多くの口数を売り、高値の時には少ししか売却しないことになる。まるで間の抜けた話である。投資信託基準価格の変動は予測不可能なので、一定口数の定期売却で平均的な売却成績を出すことを狙う。これが投資信託の順当な売却方法である。

投資信託を買うときは、一定金額分の定期購入、売却時はその裏返しで、 一定口数の定期売却。両方を合わせて、「原資均分法」と呼びたい。その心は、運用者が現有するもの(つまり原資)を均分して定期的に手放し、投資信託または現金を手に入れることにより、平均的な成績を得る点にある。

最後に、図20-74-1には、「SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)」 と「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」それぞれ単独での運用、ならびに評価額比1:2の運用で期待できる成績(平均成績と不運成績)も図示している。
(2019/9/16/UP)

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