(B-1)  対数正規分布パラメータと利率統計(真数正規分布)パラメータの相互換算

株式指数など、値動きが複利の金融商品の時価の変動の統計は、log(1 + r) を確率変数とする正規分布の統計に従う筈である。ここに、rは利率、log(x) はxの常用対数log_10(x) を表す。このとき、1年当りのlog(1 + r) の平均値と標準偏差をそれぞれμ、σと表すことにする。それらを真数の年利の平均値Rと、年利分布の標準偏差Σに換算することを考える。
先ず対数正規分布の平均値μは、真数の年利の幾何平均 R に一義的に換算できる。むしろ複利運用における年利の最も適切な平均値は、相加平均ではなく、幾何平均であり、だからこそ対数正規分布が必要となる。そしてμの換算であるが、真数の年利の幾何平均をRと表すと、妥当な換算式は
    log(1 + R) = μ ----------------------- (B-1-1)
なので、
    R = 10^μ - 1 ------------------------ (B-1-2)
となる。

年利rが正規分布すると考える統計とlog(1 + r) が正規分布すると考える統計の標準偏差とを一義的には換算できないが、でも尤もらしい換算をする方が便利である。年倍率対数の平均値μからの1標準偏差分のズレσは、年利Rからの1標準偏差分のズレΣに相当すると考えるのが妥当なので、これを式で表すと
    log(1 + R + Σ) = μ + σ ------------(B-1-3)
となる。これより、
    Σ = 10^(μ + σ) - 1 - R
この R に(B-1-2)式を代入して、
     Σ = 10^(μ + σ) – 10^μ
     = 10^μ × (10^σ – 1) ---------- (B-1-4)
を得る。
なお、(B-1-4)式からμの値(小うるさく言えば、その絶対値)が0.02程度以下の場合、有効数字2桁の確かさで「真数の値上がり率の幾何平均 R に対する標準偏差は (10^σ – 1) で与えられる」と言ってよいことが判る。

 以上をまとめて、値動き倍率の対数の統計のパラメータμとσは、真数の値上がり率の統計パラメータ R とσに次のように換算できる:
真数の値上がり率の幾何平均:R= 10^μ – 1 ---------(B-1-2) 
R に対する標準偏差相当の値:= 10^μ × (10^σ – 1) --(B-1-4)
となる。

(2011/3/1/UP)(2012/3/15/改訂)(2012/3/16/手直し)

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