(B-3) リバランスにおける投信売却の税金と留保分の計算

 ポートフォリオを組んで資産運用する場合に、1年に1回程度のリバランスをする方が良いとされている。ノーロードの住信STAMシリーズか三菱UFJのeMAXISシリーズの債券と株式のインデックスファンド(インデックス型投資信託)のみで運用する場合を考える。この場合、リバランス時の投信売却益に課税されるのは株式のファンドだけであって、債券のファンドの売却益への課税は無い。株式投信の売却益が出た場合のみ、その収益の20%(2011暦年中は10%であるが、この特例はここでは無視する)が税金として差引かれる。売却益が出てそれを確定申告すると、次年度の国民健康保険料や介護保険料も増額されるが、これら保険料の負担増はここでは考慮せず、もっぱら20%(2011暦年中は10%)の申告分離課税(運用を特定口座で管理していれば、証券会社が税務計算と納税を代行してくれる上、確定申告もしなくてよい)の効果だけを取り扱う。そしてリバランス以外には投資信託の売買をせずに運用しているものとする。あわせて投資信託売却時に差引かれる留保分の計算式(MS Excelを使った表計算が目的)も作っておく。

 株式のファンド売却(一銘柄の売却)時の課税額の計算には、現有投信の平均購入単価が必要である。一銘柄の株式投資信託について、 
i回目のリバランスにおける
投信買い増し金額を a(i)
投信単価の時価を x(i)
納税額を t(i)
とし、
i回目のリバランスの済んだ時点において、
現有投信の平均購入単価を v(i)
投信保有口数を n(i)
とする。

 税額計算のためにまず、i回目のリバランス完了時点における保有投資信託の平均購入単価 v(i) を計算する。i回目のリバランス時に投信を買い増したのなら、つまりa(i) > 0 のときは、v(i-1)からv(i)を計算すると、
v(i) = [v(i-1)*n(i-1) + a(i)]/n(i)
となり、そして n(i) – n(i-1) = a(i)/x(i) である。
一方、リバランスのとき投信を売却しなければならなかったのなら、つまりa(i) <= 0 (<= や =< は“≦”を表す)のときは、 v(i) = v(i-1) のままである。
結局v(i)は
a(i) > 0 のときは v(i) = [v(i-1)*n(i-1) + a(i)]/[n(i-1) + a(i)/x(i)]
a(i) <= 0 のときは v(i) = v(i-1)
となる。これをExcel言語で表の1コマに書ける式で表すと
v(i) = if(a(i)<=0, v(i-1), (v(i-1)*n(i-1) + a(i))/(n(i-1) + a(i)/x(i)) )
となる。

 次に税金計算に進む。売却益への税率(分率)を T とする。通常時の日本の税制では T = 0.2 (百分率表示なら20%)である。納税しなければならないのは、 a(i) < 0 (つまり売却のとき)でなお且つ x(i) – v(i-1) > 0 (つまり売却益が出たとき)のときだけである。その時の税額 t(i) は
t(i) = T*[ x(i) – v(i-1)]*[n(i-1) – n(i)]
= T*[ x(i) – v(i-1)]*[- a(i)/x(i)]
である。他の場合、つまり a(i) >= 0 あるいは (x(i) - v(i-1)) <= 0 のいずれかが成立する場合は t(i) = 0 、つまり課税無しである。これを Excel語で書くと次の様になる
t(i) = if(a(i)<0, if((x(i) - v(i-1))>0, T*( x(i) – v(i-1))*(-a(i)/x(i)), 0), 0)
となる。


 i 番目のリバランスにおける投資信託売却時の留保分、h(i)、の計算は簡単で、留保の分率をHと表すと次の様になる。
h(i) = if(a(i)<0, -H*a(i), 0)
なお、eMAXISシリーズのインデックスファンドの場合、H がゼロでないのは新興国株式のファンドのみであり、その値は H = 0.003 である。

 これでリバランスにおける全経費の計算の準備が整った。
(2011/6/22/UP)

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この記事へのコメント

2011年12月28日 20:15
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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