(20-16) 資産管理と期間別ポートフォリオへの資金配分決定の方法

 資産運用は、職に就いて収入を得たときから何らかの形で始まっている。昔は外貨預金とか新型定期預金とかを無方針に利用していたかもしれない。そこで先ず、全運用資産を“インデックス運用”部分と、これまでの残骸の“非正規運用”部分とにきちんと分けて記録し管理することを始める。“非正規運用”部分は順次売却・解約して“インデックス運用”部分に移し替えて行く。

 インデックス運用部分で管理する資産は、生活費を管理する銀行とは異なる銀行と証券会社を使う。資産管理のお勧めはネット銀行(住信SBIネット銀行、ソニー銀行や楽天銀行など)とネット証券(SBI証券、楽天証券やカブドットコム証券など)である。生活費の管理は近所に店舗のある銀行とセブン銀行の両方を使うのがお勧めである。セブン銀行は、朝7時から夕方7時までなら土日祝日でもコンビニのセブンイレブンに設置のATMを使って無料でお金の出し入れができて便利、旅先のコンビにでもOK。

 運用部分のお金は日常生活部分のお金とは厳密に区別して管理し記録する。インデックス運用部分の投資や分配金は運用管理用口座に残し、記録に残す。そうすると、毎年の運用資産の増額や取崩し額が正確に把握できる。株式の配当や投資信託の分配金を生活費に繰り入れて適当に使うというような管理はしない方が良い。運用中の資産の評価額は国内外の経済状況に依存して乱高下するので、運用資産と生活費を区別して管理しておかないと訳の分からないことになる。

 “インデックス運用”部分のアセットアロケーション選択・決定のためには、生涯収支概算表{(20-13)、(20-10)、(10-11)の記事}を作り、これを基にしてアセットアロケーションを決める。生涯収支概算表の過去の部分は運用ならびに勤労収入や生活支出、そして運用益の集計・概算の記録となり、将来の部分は今後の大雑把な見込みである。生涯収支概算表に基づいて短期から超長期までの運用期間別のポートフォリオにアセットアロケーションすることによって運用のリスク管理を自動的に行うのがここで提唱する運用法の味噌となっている。

 まず、2年分の生活費支出金額を“生活防衛資金”として準備する。この生活防衛資金の金額は、毎年毎年変化するものではないので、2年分の生活費支出の見込み金額を将来10年間位にわたって計算し、これらを平均して選ぶ。
 生活防衛資金は変動金利の10年の個人向け国債で運用しておくのが良い。“国債”と名付けられているが、ユーザーにとっては“変動10年の個人向け国債”は国がやっている変動金利の定期預金である。個人向け国債は元本割れが起きない点で通常の国債とは全く異なり、しかも金利は銀行の定期預金よりは良い。ただし、購入後1年間は換金できない。そこで“生活防衛資金”を二つ以上に分けて1年以上ずらして“変動10年の個人向け国債”を購入し運用する。

 次に、運用資産から2年以内に取り崩す予定のお金(自動車購入資金や帰省旅費、或いは子供への贈与予定金など)は3ヶ月ないし半年の普通定期預金で運用して使用時期を待つ。2年以内に運用資産から取り崩す予定のお金が無い場合は、1ヶ月分くらいの生活費相当額を普通預金において生活運転資金とするが、生活運転資金は運用資産ではなく、生活費と見ておく方が運用資産の管理が楽である。

 ここまで準備できたら、ここからインデックス運用(即ちリスク金融商品の購入)が始まる。生涯収支概算表と運用資産金額を見比べて、先ず超短期ポートフォリオに回す金額が決まり、運用資金にまだ余剰金があれば次に短期ポートフォリオで運用する金額が決まる。このようにして順次、中期、長期、超長期ポートフォリオで運用する金額が、各年毎に決まってくる。
 ところが、収入や支出の見込み通りに将来のお金の収支が進むことはない。そこで一工夫する。上記の生涯収支概算表から決まった各年の各ポートフォリオへの投資配分額を、各年毎に百分率に書き換える。この各期ポートフォリオへの投資額の百分率を10年間位にわたって平均して得た配分比率を、各ポートフォリオに対する、今の自分自身に適したアセットアロケーションとして採択すればよいと考える。このようにして適した(つまりリスク管理のできた)アセットアロケーションはゆっくりと少しずつ変化してゆくことになる。このゆっくりしたアセットアロケーションの変化は、一年毎(或いは半年毎)のリバランスのときに合わせて進める。このように決めたアセットアロケーションは過度と言ってもいいほど用心深い(リスクに対して充分以上に警戒した)アセットアロケーションになっていると考える。

 ここに書いたいようにアセットアロケーションを組む場合、超短期ポートフォリオに回せるお金ができるのですら40代になるまで待つことになるように思う。うっかりすると、子供が独立する50代後半まで待つかもしれない。それでは、退職金等の大きなお金が来たときに、運用の経験が不十分で運用に失敗するかもしれない。運用の失敗が退職後ではその回復が不可能である。そういった事態を避けるために、若いときに、例えば50万円だけを元本として長期ポートフォリオに従って投資し、1年か半年毎にリバランスして資産運用の経験を積み、資産運用における評価額の乱高下とそのときの心情の乱れを知るのは有意義かもしれない。

 ”自分自身のリスク許容度に適したアセットアロケーション”を選ぶのは至難の技である。ここに書いた方法は過度に用心深い;あるいは、考えうる内で最も用心深い(つまり全体として最も低リスク・低リターンな)アセットアロケーション選択法である。しかし、資産運用を“始める”場合、過度に用心深いアセットアロケーションから始めるのが良い。 ”自分自身のリスク許容度に適したアセットアロケーション”を選ぶ(構築する)方法については、今後も検討を続ける。資産運用において最も困難でありそして影響が大きくて重要なのは、”自分自身のリスク許容度に適したアセットアロケーション”を組み立てる方法を見つけ出すことである。ポートフォリオのリスクやリターンの計算などはその次の問題である。

 余談:生涯収支概算表作成、アセットアロケーションの算出、リバランスなどの運用資産の記録・管理、これらの計算と記録には、マイクロソフトのExcelやOpen Office Org のフリーソフト“Open Office org Calc”等の表計算ソフトを使うことになる。手間は掛かるが、表計算のコマンドを利用しながら計算表を一回作ると、翌年からの計算と運用管理は楽になる。
(2012/2/21/UP)(2012/2/26/追記)(2012/3/4/追記)

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