(20-21) “外債投信指数”(Citigroup WGBI擬似指数)の時系列データの再調査

 先進国国債指数として代表的な Citigroup WGBI (World Government Bond Index) の時系列データの無料公表は残念ながら無い。しかしこの時系列データはポートフォリオの妥当性検討などのために是非ともほしい。そこで幾つかのデータを連結してこの指数“もどき”のものの時系列データを紡ぎ出して利用していたが、この時系列データを再度作り直した。この擬似指数はCitigroup WGBI (除く日本、ヘッジ無し、円ベース)の擬似指数から更に通常のインデックスファンドの投資信託諸経費を差し引いて、「Citigroup WGBI (除く日本、ヘッジ無し・円ベース)擬似投資信託指数」と呼べることを目指した指数であるが、“Citigroup WGBI ”を冠する程の信頼度も無いので、ここでは簡単に「外債投信指数」と呼ぶことにする。「外債投信指数」は素人が幾つかのの時系列データやグラフからの読み取った値を繋いで作成したデータなので信頼度は全く判らない。なお、本当のCitigroup WGBI ex JPN は世界主要22ヶ国(日本を含まない)の国債の時価と利息を合計した総合利回りを各国国債の時価総額で加重平均した指数であり、概ね、ユーロが5割、米ドルが3割、英ポンドが1割、その他(カナダドルなど)が1割といった構成となっている。この指数は、“グローバル債券”とか“先進国債券”のような名詞を含むインデックスファンドのベンチマークとして広く使われている。

 以下に「外債投信指数」を作った手順を、自分自身のためのメモの意味もあって、少し丁寧に記録しておく。細かい計算手順に興味が無いときは、下の二本の点線行の間の記述を読み飛ばすことをお勧めする。

------------- 計算手順記録の始まり -----------
  「外債投信指数」は次の三つの時系列データを連結して作った。(1)Citigroup WGBI (除く日本、ヘッジ無し・円ベース)の大きなグラフを掲載したpdfファイル(日興シティグループ証券株式会社債券本部の2007/11/2付けのファイル)が一時期ネット上に公開されていたのでこのグラフからデジタイザソフト(“DigitalCurve Tracer” )を使って数値化して得た数値データ、データ採録期間1984/12/28~2007/9/28;(2)「日興(パレット) 海外債券インデックスファンド(ヘッジ無)」の基準価格に配当を税引き再投資したとして補正した指数の時系列データ、データ採録期間1998/10/31~2008/9/30、この投資信託は2008年10月に償還されて終わった、このファンドのベンチマークはSolomon Smith Barney WGBIでありCitigroup WGBIとは同性格だが異なる指数、でもこれを使わざるを得ない;(3)SMT(旧名はSTAM)グローバル債券インデックスオープン(ヘッジ無)の基準価格の時系列データ、データ採録期間2008/1/31~現在。(2)と(3)のデータは Yahoo! Japan のファイナンスのホームページで採録。
  (1)のグラフから読み取り値534組のデータを(x11, y11)と表す。x11の“11”はデータセットの識別番号であって(1)のデータの“セット1”の横軸値の意味、y11はx11に対応する縦軸値のセット。x11の横軸の長さは正しく読み取れたと仮定してこのセットを1985/2/28~2007/9/28の日付に換算してセットx12とする。この段階では534組の(x12, y11)のデータ。
  (2)の月足データ(x21, y21)。時々分配金が出ているので、分配金の8割を再投資(税引き後の再投資)したとしてy21を補正し、(x21, y22)のデータセットを得て(2)の部分の「外債投信指数」となる。 x21は月末日付。
  (1)と(2)の重複期間(1998/10/31~2007/9/28)でデータのスムースな連結のパラメータを選ぶ。log(y11) vs x12プロットの一次回帰線の傾きは1.0004e-04 /day、一方、log(y22) vs x21プロットの一次回帰線の傾きは0.8957e-04 /day。後者の傾きが前者の傾きよりも0.1047e-04 /day だけ小さいのは、(2)の投資信託の年間諸経費平均値が 10^(0.1047e-04 /day×365.25 day/year) - 1 = 0.883%/year であるためと解釈。かくして、年利0.883%(日歩では0.00241%)の投信経費分を(1)のy11 から複利で差し引いて(x12, y12)を得ると、これが(1)の部分の「外債投信指数」のデータセット。
  次に x12に適切な定数を加えて(デジタイザソフトの横軸原点設定誤差の補正)x13のセットを作り、(x13, log(y12))プロットの山・谷の横軸値と(x21, log(y22))プロットの山・谷の横軸値とをできるだけ一致させた。
  (x13, log(y12))プロットの縦軸値、log(y12)、に適切な定数を加えてlog(y13)を作り、(x13, log(y13))プロットの一次回帰線が(x21, log(y22))プロットの一次回帰線に重なるようにした。両プロットの一次回帰線の傾きの一致は有効数字6桁、縦軸切片の一致は有効数字7桁であった。つまり(1)と(2)の対数プロットの一次回帰線はほぼ完全に一致した。
  これで、(1)と(2)のデータの連結のために(1)のデータに加えるべき補正は確定した。x12 → x13 = x12 – 19。縦軸値y13(外債投信指数)の算出はやや手間を食う:log(y12) = log(y11) - 0.104731e-04/day × 経過日数  によってlog(y12)を算出する → log(y13) = log(y12) + 1.70783 によってlog(y13) を算出する → log(y13) の算出値を使って y13 = 10^log(y13)  によって y13 を求める。なお、補正・変換パラメータの-19や 1.70783にはこの場限りの意味しかないが、今回のデータ処理には必要な値なので個人的メモとして書き残す。
  (1)のグラフはもともと月足の時系列データのプロットなので、(x13, log(y13))プロットのx13データセット343点の中から各月末に最も近いx13日付のみを選んで月末日付に書き換えてx14とし、元のx13に対するy13をそのまま使って(x14, y13)のセットを作る。これが月足の「外債投信指数」時系列データとなる。
  (3)のSMT(旧名はSTAM)グローバル債券インデックス(ヘッジ無)の基準価格時系列データはYahoo! Japan ファイナンスのホームページで協会コード64316081を株価検索欄に打ち込むと得られる:月足時系列データセットを (x31, y31)と表す。分配金(これまでは出たことは無い、多分、今後も出ない)を20%税引き後再投資したとして再投資価格を計算し、これを (x31, y32)と表す。(2)の (x21, y22)と(3)の(x31, y32)の時系列データは2008/1/31から2008/9/30まで重なっている。この重複期間のy23/y32の比の平均値は c = 1.62614 。y32にこの定数cを掛けて y33 を作ると、y33は y22(従ってy13にも)にスムースにつながって「外債投信指数」になる。
------------- 計算手順記録の終わり ----------- 

 「外債投信指数」は次の三つの時系列データを連結して作った。(1)Citigroup WGBI のチャートから読取った指数値セット(1984/12/28~2007/9/28);(2)「日興(パレット) 海外債券インデックスファンド(ヘッジ無)」の税引き分配金再投資の時価データ(1998/10/31~2008/9/30;この投信は2008年10月に償還終了)、(3)SMT(旧名ではSTAM)グローバル債券インデックス(ヘッジ無)の税引き分配金再投資の時価データ(2008/1/31~現在)。「外債投信指数」はCitigroup WGBI(除く日本、円ベース、ヘッジ無)からファンドの全経費(年率0.6―0.9%、ファンドにも時期にも依存)を差し引いた指数となっている。図20-21-1にこれらの三つのデータセットから得た指数値をそれぞれの全期間について重複させてグラフにして示したが、指数は順当に算出できているように見える(自画自賛)。

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   (図をクリックすると拡大した図が出てきます)

 最終的には、(1)から得た1984年12月末からのデータで始まり、1999年1月末以降は(2)のセットから得たデータを選び、2008年3月末以降は(3)のセットからのものを選んで「外債投信指数」時系列データとした。こうして作った「外債投信指数」の1984年12月末から2012年3月末までの、月足時系列データのチャート(図20-21-2)とその常用対数のチャート(図20-21-3)を示す。Citigroup WGBIの著作権上の問題が有るかもしれないので、「外債投信指数」の時系列数値データのウェブ公開は避ける。個別にメールを頂いたら、直接面識のある方の個人使用に限って「外債投信指数」の時系列数値データのExcelファイルをお渡しします。

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   (図をクリックすると拡大した図が出てきます)

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(2012/4/14/UP)

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