(20-28) 2013年年初のポートフォリオ再構築とリバランス

表20-28-2に誤りがあったので訂正した。訂正部分は太字になっている(訂正日:2013/1/13/)

 2012年年末から急速な円安と日本の株価上昇が進行している。そのためアセットアロケーションのズレの修正が必要である。また、インフレ目標の設定や大型補正予算等に伴う国債発行などの故に、日本の国債への信頼が何処まで持つか心配にもなる。そこで運用期間別ポートフォリオの再構築とリバランスを行うことにした。

 その前にまず、2012年2月始めに構築した運用期間別ポートフォリオ(記事20-14に掲載した表20-14-2)のパーフォーマンスを見て、ここで採択しているポートフォリオ構築法の妥当性を調べておく。表20-14-2の運用期間別ポートフォリオのそれぞれに、三菱UFJ投信のeMAXISシリーズのインデックスファンドを使って2012年2月1日に100万円ずつ投資していたら、2013年1月7日のそれらの時価はそれぞれ:
  短期ポートフォリオ  105万8328円  収益5.83%
  中期ポートフォリオ  109万4830円  収益9.48%
  長期ポートフォリオ  115万9711円  収益15.97%
  超長期ポートフォリオ 122万1072円  収益22.11%
であり、各ポートフォリオのリスク期待値の大きさの順に収益が大きくなっていて、この1年が資産運用にとってかなり幸運な1年であり、また、ポートフォリオが妥当・素直に構築できていることが示されている。一方で、この様な好成績が今後も続く筈はないので(なぜなら、今のリターンは期待値の数倍になっていて、これはリスクがポジティブ側に振れているだけ)、調子に乗って急激なリスクを背負い込む(株式投資や海外投資の急増)のは避けるべきと用心しよう。

 さて話を本筋に戻して、2012年年末までの各資産クラスの指数の長期パーフォーマンス(月次データ)の対数目盛りグラフを示す(図20-28-1)。

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    (クリックすると拡大図が出てきます)

この図を長期間スケールで見ると、今回特に変わった傾向や大きな変動が出てきたわけでもなく、日本株は右肩下がり、為替レートも長期的には円高進行傾向のまま、日本債券は際立って低リスク(変動が小幅)といった基調は保たれている。ただ、最近1年を見ると、円安が進行し、日株、外株、EM株、日債、外債の全ての円建て価格が上昇している。これが先に述べた全ポートフォリオの好成績をもたらしている。

 図20-28-1の各曲線太線部に基づいて投資信託指数変動倍率の対数の統計処理を行うと、表20-28-1の統計パラメータを得る。

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   (クリックすると、拡大された表が出ます)

 表20-28-1の統計パラメータに基づいて運用期間別ポートフォリオを組み立てる。組み立て方法は、記事20-14記事20-25記事20-26においてポートフォリオを組んだときと同じである。ただし、中期、長期、超長期ポートフォリオにおける日債の配分比は従来よりも5%ずつ下げて、それぞれ55%、35%、15%とした(頭ごなしに決定)。日債配分比を下げたのは、日本国債や日本円への信頼低下が起き始めたときの対策という意図。また、超短期ポートフォリオに用いる無リスク資産クラスとしては、住信SBIネット銀行の6ヶ月定期預金(金利0.27%)を選んだ。こうして表20-28-2に示した運用期間別ポートフォリオを得る。

画像
   (表をクリックすると、拡大した表が出てきます)

これらのポートフォリオでこれから半年ないし1年間の運用を進める。今回のポートフォリオ構築とリバランスでの反省点は、円安が進行し始めてから日債投資配分比を下げて海外投資額を増やす点である。こんなリバランスにならない良い方法を考えておかねばならない。

 最後に、このブログへの新訪問者のために、ここで使っている略称や、新規に投資を開始する場合の具体的方法などを簡単に纏めて再掲しておく。

(1)金融商品の略称とそれに対応する投資信託(eMAXISシリーズまたはSMTシリーズのインデックスファンド)の具体的名称は次の通りである。これらの投資信託は、SBI証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券などのネット証券会社に口座(大抵の場合、源泉徴収有の特定口座が便利)を開くとノーロードで購入できる:
   日債: eMAXIS国内債券インデックス SMT国内債券インデックス・オープン
   外債: eMAXIS先進国債券インデックス SMTグローバル債券インデックス・オープン
   外株: eMAXIS先進国株式インデックス SMTグローバル株式インデックス・オープン
   EM債: eMAXIS新興国株式インデックス SMT新興国株式インデックス・オープン
   バランス(八均): eMAXISバランス(8資産均等型)
である。

(2)実際に投資するときは、超短期ポートフォリオと短期ポートフォリオの投資信託購入は一度に一括購入するのが望ましい。一方、中期ポートフォリオへの投資は、予定金額を12等分し、1年間に亘って毎月定額積立投資すると良い。長期ポートフォリオには2年間の定額積立投資、超長期ポートフォリオには3年間程度の期間に亘る定額積立投資が無難である。

(3)各ポートフォリオへの資産配分比は以下のようにして決めると良い:
(3-ア)自分の家庭の平均的な年間総支出金額の1倍ないし2倍(1年分ないし2年分)を「生活防衛資金」として、「変動10年個人向け国債」保有する。なお、「個人向け国債」は、資産運用の面では、“非常に有利な定期預金”であって、決して「国内債券」ではない(記事20-13参照)。
(3-イ)住宅ローン、自動車ローンなどのローンの全額を返済し、今後はローンを組まない。全てを現金で買う。理由は簡単;日本国債は資産運用の根幹を成す投資先であり、資産運用のリスクコントールのためには欠かせないので、日本国債投資ゼロの資産運用などありえない。一方、ローン金利は日本国債よりも必ず高い。かくして資産運用とローン保有は自己矛盾であり、資産運用を真面目に考えると、ローン完済が運用の第一歩となる。
(3-ウ)「生涯収支概算表」を作成する。この表には、自分自身と配偶者の死亡予測時期(男90歳、女95歳と見込んでおけばまず大丈夫)までの毎年の収入と支出(葬式代まで書き込む)の見込み額を書き込む。この表を基にして、全資産金額の各年毎の増減見込み額を算出する。こうして、今後の各年毎の資産取崩金額がわかる。2年以内に取崩すお金は、銀行預金(或いは証券会社の円建MMFないしMRF)で管理し、債券や株式やそれらの投資信託には投資しない。全資産から「生活防衛資金」と「2年以内使用見込み金」を差し引いた残りのお金を、以下のように配分して運用する:
 2年以上4年未満経過時に取崩すお金は 超短期ポートフォリオ
 4年以上6年未満満経過時に取崩すお金は 短期ポートフォリオ
 6年以上8年未満満経過時に取崩すお金は 中期ポートフォリオ
 8年以上12年未満満経過時に取崩すお金は 長期ポートフォリオ
 12年以上使う見込みのないお金は 超長期ポートフォリオ
に投資する。上に書いた“取崩までの年数”は、投資タイミングが不運なときでも元本割れにはならない運用年数の計算値(期待値)に基づいている。例えば、中期ポートフォリオの年利(リターン)期待値はやや大きいが、同時に評価額変動の幅(標準偏差、金融用語ではリスク)も大きく、評価額の元本割れ無しがほほ確実になるには6年以上の投資期間(運用期間)が必要である;逆に6年未満の運用期間で現金化すると、投資のタイミングが少し不運なら元本割れになる一方、幸運なら期待値以上の高収益を手にできる(これ以上の詳しい説明は、統計学の入門程度の学習が必要である)。こうして、各人・各家庭に適して「リスク管理」された資産運用が出来ることになる(記事20-16参照)。
(2013/1/9/UP)(2013/1/13/訂正)(2013/3/14/ & 2013/11/6/新訪問者用説明追記)

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