(20-47) 元本割れ回避に必要な運用期間の評価

資産運用において、元本割れだけは避けたい。では、どうすればよいのか。

一般に、適切に分散された投資においては、運用期間の長期化とともに元本割れを回避できる可能性は高まると考えられる。理由は次の通りである。株価等の金融商品価格がランダムに変動していると仮定すると、リターンμ、リスクσのポートフォリオへの投資が元本割れする確率が、例えば2.5%以下になるのに必要な投資期間をn年とすると、
  n μ - z σ √n > 0 ; z = 2
の関係が成り立つ(統計学、酔歩の理論による)。使うべき z の値は、要求する元本割れ確率の限度(この例では2.5%を選んだ)を選ぶと、標準正規分布表から定まる(この例では、 z = 2 が定まった)。
上の不等式を書き換えると
  n > (z σ /μ )^2
となる。この不等式は
  z < (μ/σ) √n
とも書ける。つまり、投資期間が長くなると元本割れを回避できる確率が高くなる。これがインデックス運用派が長期運用を目指す根拠式である。

μとσの“正しい”値を得ることができたら、上の不等式の使って元本割れ回避に必要な運用期間を計算できる。しかし、信頼度の高いμとσの値を得ることはなかなか難しい。

もう一つの元本割れ回避に必要な運用期間の推測法としては、そのポートフォリオの過去に遡った運用実績(シミュレーション)から評価するという方法が考えられる。2007年のサブプライムローン金融危機に始まり2008年のリーマンショックに至ったアメリカ発の世界規模の金融危機は1929年の「大恐慌」級の深刻な危機と評され、当時は「ブラックスワン」とか「テールリスク」というキーワードが飛び交っていた。このように深刻な金融危機を含んだ期間(例えば、危機のどん底時期に満期になるような運用期間)においてすら元本割れを回避できた運用期間をそれと評価すれば、安全率を高くとった上での「元本割れ回避に必要な運用期間」の推測ができると考える。

前回の(20-46)の記事 (http://williberich.at.webry.info/201411/article_4.html) では、種々のポートフォリオに対する「元本割れ回避に必要な運用期間」を過去に遡った」シミュレーションから推測する方法を使った。深刻な金融危機時期を含む期間に対するシミュレーションは、運用に対する用心深い点検方法を提供してくれる。 (2014/12/8/UP)

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