(20-65) 「つみたてNISA」利用の勧め

2018年年初から「つみたてNISA」制度運用が始まる。これは少額長期積立投資に対する非課税制度であり、制度説明文を金融庁のホームページで読むと、「金融庁は、少額投資しかできない、そして発言力の殆どない庶民に味方した!」と感激する。

若年・中年の現役サラリーマンの教育資金や老後資金構築のみならず、退職後間もない(つまり”余生”期間がまだまだ長い)年金生活者も「つみたてNISA」を利用して資産を運用することが”お勧め”である。何しろ運用益に課される20%余りの税金が無くなるので、その効果は大変大きい。

「つみたてNISA」対象となる投資信託は次の条件(金融庁が課した条件)を満たすものである: 1)購入手数料が零であること、2)信託報酬率が低いこと(上限が定められている、例えば海外株式投資信託なら0.75%)、3)信託契約期間が長期または無期限であること、4)分配頻度が毎月ではないこと、5)信託報酬概算値が各受益者に知らされること などである。

「つみたてNISA」に向けて2017年秋頃から低経費の新しい投資信託が設定されだした。お陰で、ネットユーザでなくても、ノーロード・低信託報酬率の世界分散投資の投資信託を購入できることになる。

例えば、野村證券窓口で、「野村つみたて外国株投信」の「つみたてNISA」を設定すると、 MSCI ACWI (exJPN) 指数追従の投資(先進国と新興国の中型&大型株への分散投資、除日本)が、ノーロードにしてかつ税込信託報酬率が0.2052%という信じがたい程の低率で可能になる。これは若い人に適している。このような投資信託が現れるなんてまるで夢のような話である。手間暇かけて、日米二重課税の不利益も我慢しながら、米国市場上場のVT等を購入する必要はもうない。

或いは、三井住友信託銀行窓口で「SMT 世界経済インデックス・オープン」の「つみたてNISA」を設定すると、日本、先進外国、新興国それぞれの債券と株式の6クラスへの分散投資が、購入手数料ゼロ、税込信託報酬率0.54%の低経費で運用可能になる。これは老人にも適している。資産に余裕のある場合は「SMT 世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)」、余裕の少ない場合は「SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)」という選択も可能である。

SBI証券などのネット証券会社で「つみたてNISA」口座を開くと、上記の利点のみならず、SBIポイント付与という信託報酬のユーザ還元の恩恵も受ける。SBI証券の場合、還元額は保有投資信託評価額の0.05%で、実質的には信託報酬の減額である。例えば、上記「野村つみたて外国株投信」をSBI証券で「つみたてNISA」積立を行うと、実質の税込信託報酬率は実に0.1552%(=0.2052%-0.05%)という低率である。ただ、この投資信託保有に対して付与されるポイントの制度は証券会社毎に大きく異なるので、ネット証券選択に際して調査しておくとよい。

心しておくべきは、株式投資や株式投資を含む投資(バランスファンド)には長期運用が必須であるという点。世界分散株式投資の長期平均利回りは7%前後と高率であるが、利回りの変動幅は極めて大きいので、5年以下の短期運用では元本割れも起こりうる。だから、5年間の運用期間しか認めない一般NISAで安心して使えるのは日本債券投資くらいだけであった。

一方、リーマンショックの世界金融危機でも、7年後の株価指数は危機前の指数値まで回復している。あるいは、1929年の大恐慌以降の米国株式市場に基づくシミュレーションによると、米国株全般(モデルはS&P500)への分散投資で、かつ配当を再投資していたら、恐慌後5年余りで資産の購買力は大恐慌前まで回復できた筈ということである。つまり7年、少し余裕を加えて10年以上の長期運用なら、株式の世界分散投資の元本割れは避けられる。つまり「つみたてNISA」が認める20年間の運用期間なら、安心して世界分散株式投資に使い、その高収益率を非課税で享受できる。

投資先を世界に充分分散し、積立投資で投資時期を分散し、低経費率の投資信託を利用し、10年以上の長期運用を計画し、これに運用益非課税を重ね合わせて、老後生活費や子供教育費の心配を軽減する。これが「つみたてNISA」のエッセンス。若い人のみならず、まだ余生の長い老人(つまり、「若い」老人???)にも「つみたてNISA」は大いに役に立つ。
(2017/11/20/UP)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック